サッカー観戦などのためにヨーロッパへ行く際、一番頭を悩ますのが、いかに安く快適に空の旅を過ごすかである。もちろん格安の直行便があればそれに越したことはない。それに対して乗り継ぎ便は時間がかかる、いろいろ不便なことが多いと敬遠されがち。安さだけが売り物だったりすることもしばしば。
しかし、格安航空券でもストップオーバーやオープンジョーなどでの制約が緩和されつつある今、こうした乗り継ぎ便を効果的に利用して、ひと味違った旅を演出してはどうだろう?
例えば、時差ボケに弱い人。現地に入っても最初の数日間は頭がぼーっとしているなんて場合もあるのでは。そんな方は、時間に余裕があれば、最初の1、2泊を乗り継ぎ地で過ごしてみてはどうだろう。しかもそこがリゾート地で、ちょうどヨーロッパと日本の中間だとしたら...時差ボケを慣らすにはもってこいのはずだ。
例えば、極寒の海外サッカーはしご観戦。2、3月は過密日程で好ゲーム目白押し、しかも航空券も安いとくれば、海外サッカーファンにはたまらない季節だろう。しかし、2、3月のヨーロッパは一番冷え込む時期。スタジアムでブルブル震えてのサッカー観戦が続いては、疲れだけ残しての帰国なんてことになりかねない。そんなあなた、お帰りの1、2泊、乗り継ぎ地の高級リゾートで癒されてはどうだ?そこは、赤道直下、冬でも暖かい中東のヴァカンスリゾートだとしたら...寒さだけが思い出ということにはなるまい。
数ある乗り継ぎ地の中で、今回紹介するのは中東の高級リゾート、アラブ首長国連邦内のドバイである。アラブ首長国連邦を代表する航空会社といえばエミレーツ航空。イングランド・プレミアリーグの強豪クラブをサポートし、2006年W杯の公式スポンサーにも名を連ねる、サッカーとは縁のある企業である。また、機内サービスの充実ぶりから、2002年にはベスト・エアライン・オブ・ザ・イヤーに輝いている近年注目の航空会社である。同年10月より関西国際空港とドバイ間を結ぶ便が就航。現在、私たちはこのエミレーツ航空での空の旅を楽しむことができるのである。
現在、エミレーツ航空が利用しているのは関西国際空港のみであるが、このことが結果として夜行便を誕生させることになった。成田空港とは異なり、午後10時以降の離発着も可能な関西国際空港のため、ドバイ行きの飛行機が離陸するのは午後11時30分。関西圏在住の人なら、その日働いて職場から自宅に荷物を取りに帰っても間に合う時間帯である。また、関東などのその他のエリア在住の方も、関空だからと諦めるべきではない。例えば、羽田空港からは、関空発の便に接続する飛行機が用意されており、追加料金なしで利用可能である(出発地・時期などによっては例外もある)。2005年2月の場合、午後8時40分に羽田を出発する便で接続することが可能である。したがって東京からでも夜出発が可能である。しかも、都心から離れた成田ではなく羽田からのアクセスだ。職場から直行という選択肢も可能な範囲だ。
他のアジア各国の欧州路線と、成田空港を利用する欧州系キャリアとの決定的な違いは、成田からは「行きの夜行便」がないことである。唯一の例外は、エールフランスが夜に飛ばしているやつで、ヨーロッパ旅行のリピーターの間ではすっかりお馴染みとなったが、その1本だけというのが現状だ(2005年1月現在)。したがって、行きは朝から出発で現地に着くのは、向こうの時間で午後という中途半端な時間帯。結局、その日は適当に晩飯すませてホテルで休むというパターンが多いのでは。行きの移動のために休みを取る必要はある上に、ホテル代も必要になる。逆に夜行便だったら...いちいち書くまでもない。
ドバイ経由のエミレーツ航空もこうしたニーズを十分に満たしている。23時15分に関空を出発したドバイ行きの飛行機は、現地時間で翌朝5時45分にドバイに到着。ここから欧州各地へ向かう朝の便に乗り継ぐわけだが、ローマ行きは7時30分に出発、イタリア時間で午前10時50分にはローマ到着である(2005年2月上旬のケース)。
例) ローマへ行く場合(2005年2月上旬)
EK317便: 関西国際空港23時15分→ドバイ翌5時45分
EK95便: ドバイ7時30分→ローマ10時50分
※日・月・火のみ運航。水・土はEK97便が20分遅れで運航。
また、比較的充実しているのがイングランド路線。ロンドンの他、マンチェスター、バーミンガム、それからスコットランドのグラスゴゥへも飛んでいる。サッカー観戦者にとっては気になるロンドンやマンチェスターへ向かう路線だが、いずれもお昼前に空港へ着陸する予定だ(2005年2月上旬のケース)。ドバイからマンチェスター直行の便などはかなり利用価値が高いが、チェルシーやアーセナル観戦のためにドバイからロンドンへ飛ぶなんていうのも乙なモノではないか。
例) ロンドンへ行く場合(2005年2月上旬)
EK317便: 関西国際空港23時15分→ドバイ翌5時45分
EK1便: ドバイ7時45分→ロンドン11時35分
例) マンチェスターへ行く場合(2005年2月上旬)
EK317便: 関西国際空港23時15分→ドバイ翌5時45分
EK1便: ドバイ7時35分→マンチェスター11時30分
もちろん、ドバイを素通りするのではなく、行きに途中降機して時差ボケを解消してから、欧州サッカー戦線へ乗り込むのもアリだ。しかし、サッカーシーズンが佳境を迎える2、3月の寒い時期には、帰りに途中降機をオススメする。その理由は、寒いヨーロッパでの連続観戦で疲れた体を癒すという既述のメリットだけでなく、行きのトランジットの方が、帰りよりもスムーズなケースが多いからである。また、帰国便は、ドバイを深夜2時すぎに離陸して、夕方関空に着くフライトである。つまり、前日は夜遅くまでドバイの休日を満喫できる。ふつうのヨーロッパから帰国する際は、前日の昼前後に飛行機に乗り込んで、機中で一泊して帰国というパターンが多い(もちろん夜に出発する便もあるが)。それに比べて、夜中になってから空港に行けばよいドバイ〜関空便のメリットを活用しない手はないだろう。例えば、帰国2日前にドバイ入りする。時間はいつでもよい。その日からさっそくドバイを観光して、ドバイのリゾートホテルで一泊。次の日は丸一日フリーなので、ビーチでくつろぐもよし、サファリツアーに参加するもよし、暖かいドバイの気候を存分に楽しみたい。
というわけで、中東の高級リゾート、ドバイでの途中降機はいかがだろうか。この他、お馴染みの途中降機先として、韓国ソウル、香港、台湾なども健在だ。しかも、これらの航空会社は値段が安いことでも知られている。日本と目的地を結ぶ直行便だけが最適なプランとは限らない。途中降機などの旅の選択肢を積極活用して、オリジナル旅行スケジュールを作ろう!