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「安藤正純の特別コラム vol.6」
10試合を観戦しての短評
安藤正純=文・写真
text & photograph by Masazumi Ando
2004年11月18日
今回は番外編。18日間で10試合(旅の最初と最後は"調整期間"としていたので、正確には「15日間で10試合」となる)を観戦しての印象を紹介する。
予定では12試合だったのだが、無理して低レベルの試合を見る必要もないと思い、また連載記事の締め切りにも追われ、ケルンとフランクフルトの試合観戦をキャンセルした。1FCケルンのポドルスキーをぜひ見たかったのだが次回までのお楽しみとなった。
評価は、丸数字でランキング化した。
(5)が最高で、最低は(1)。試合内容(見ごたえ)、選手の技術(スペクタクル)、スタジアム(ハードウェア)、※一言の順になっている。
ベルリンとミラノはホテルに宿泊、ミュンヘンとシュツットガルトは盟友ルドガー・シュルツェ記者(南ドイツ新聞スポーツ部長)とマーティン・ヘーゲレ記者の自宅に泊まった。それ以外はマインツの定宿を起点に日帰りで移動した。連日の長距離移動だったが、ドイツ国内は主にICE(新幹線)を利用したので快適な旅を楽しめた。かなり疲れたけどね(^_^)
10月23日(土)ボルシア・ドルトムント―ハンブルガーSV=(3)(3)(5)
高原だけを取材に来た日本人プレスが10人!(現地留学生が多く、完全なサッカー音痴もいた。彼らにこんなことをさせている日本のスポーツ新聞に責任あり!=次回のコラムで厳しく指摘するぞ)
10月24日(日)シャルケ04―マインツ05=(5)(4)(10)((5)を2つあげます)
最高の雰囲気、清潔、便利、完璧を物体で表すと、ちょうどシャルケのスタジアムになる。ぜひ一度お越しを。
10月26日(火)ヘルタBSCベルリン―ボルシア・ドルトムント=(2)(2)(4)
試合前のセレモニーはド派手な演出。聖火台から花火があがり、選手の入場時は両側で火柱が上がるというもの。火の粉を浴びた選手が火傷しそうな雰囲気だった。でも試合内容は…、う〜〜ん(悲)。06年W杯決勝戦会場となるベルリンだが、スタジアムの構造で大きな問題を発見。次回の『Number
Webドイツ情報コーナー』にて紹介します。
10月27日(水)VfBシュツットガルト対ブレーメン=(4)(4)(3)
ラーム、フレブ、マイスナーのプレーは見ごたえ十分。カカウのゴールが決まっていれば勝てた試合だった。王者ブレーメンは堅実すぎて意外性がない。北部気質が全面的に出ている。正直言って面白いサッカーではなっくシンパシーは感じない。
10月30日(土)ボルシア・メンヘングラッドバッハ―バイエルン・ミュンヘン=(3)(4)(5)
詳細はNumber Webで書いているので次のサイトを参照してください。
http://number.goo.ne.jp/soccer/world/europe/20041111.html
10月31日(日)1FCカイザースラウテルン―アルミニア・ビーレフェルト=(2)(1)(3)
痺れるほど退屈な試合だった。下位争いじゃ文句も言えないけど、最後はラッキーなゴールでラウテルンの逆転勝ち。救いようのない2チームだった。
11月2日(火)インテル―バレンシア=(5)(5)(4)
私はイタリア(女性)とスペイン(料理)が大好き。ここのサッカーは確実にドイツ・オランダ・イングランドより面白い。だけどスタジアムと町並み、もう少し「秩序」ってものがあってもいいんじゃないのかい? 他人の席を平気な顔で占領したり、階段に座って見ている連中が多すぎる。キミたち、切符持ってるの?
コンピューターで管理しているはずなのに、なんで私のプレスカードと同じ番号が2枚発行されていたのかいな? 不思議だ…。あっ、そうだ。ここはイタリアだったっけ(笑)
11月3日(水)バイエルン・ミュンヘン―ユベントス=(5)(5)(3)
恐らく日本とドイツでこの試合への評価はまったく逆になっているだろうな、「バイエルンは弱い」っていうふうに、と想像していたら案の定、テレビや雑誌の論調はそうだった。
だが現地記者たちは全然違う見解だった。「あのユーベ相手に6度の決定機を作ったバイエルンのパフォーマンスは高く評価されてしかるべき。シュバインシュタイガーの切り込みは見事、22人で最高のテクニックだった。デルピエロは実態より大きく扱われている。彼って何回ビッグタイトルを取ったっけ? カーンのミスで負けたが、だからといってユーベが内容的に優っていたわけじゃない」――なるほど。
南欧系のビッグクラブを何でも褒めちぎるファン気質が支配的な日本じゃ、バイエルンの本当の実力(チーム、指導、運営、中長期的戦略)にいつまでも盲目なんだろうなと感じた次第である。
11月4日(木)VfBシュツットガルト―ベンフィカ=(3)(3)(3)
ベンフィカと聞いて昔の時代を思い出してはダメである。トラパットーニの戦術はカビの生えたカテナチオ。でも全然守れない。VfBに面白いように攻撃されて反撃できない。
責任者出て来い! と叫んでも、骨まで染み付いた守備偏重は中々直らないようで…。恐らく10回対戦して7回勝てる相手。残りの2回でやっと引き分けに持ち込め、1回勝てるかどうか。そのくらい力量差は明白だった。
11月6日(土)マインツ05―ボルシア・メンヘングラッドバッハ=(1)(1)(1)
鉄パイプで作った観客席、蹴るだけのサッカー、ハラハラドキドキ感のない展開……。旅行最後に最悪の試合を見てしまった。「なんでこんな試合に、これだけ熱狂できるんだろう?」と自問自答の連続。
アドフォカート監督とノイビル大帝、ハンンツを1メートルの至近距離で見られたことだけが収穫といえば収穫?
■オマケのコラム■
正しいドイツ語の発音(1)
日本でブンデスリーガのTVサッカー中継を見聞きしたり、活字メディアを読んだりしていると、選手の名前などで誤った表現をしていることに気がつく。今号からオマケとして、正しい発音をレクチャーしたい。
ボルシア・メンヘングラードバッハ(誤)→メンヘングラッドバッハ(正)
「グラード」と音引きしてはいけない。ラとバの両部分でアクセントを強くして、最後の「ハ」はほとんど聞こえないほどの発音となる。現地の発音だと、「グラッドバッ!」に聞こえるが、日本語としてはグラッドバッハである。
(次回に続く)
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