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2003年02月22日(土) カイザースラウテルン
02/03シーズン、ブンデスリーガ第22節
1.FCカイザースラウテルン vs ハンブルガーSV 2:0(0:0)
Text & Photographs by ヴェストプファルツ警察署広報室様

 大変貴重な観戦記を掲載することができました。試合カードは「1.FCカイザースラウテルンvsハンブルガーSV」という日本でも放送された好カードですが、今回の観戦記は決して高原がメインではありません。ではクローゼ?かといえば、彼についての言及も敢えて1行だけです。今回の観戦記の主人公は、サポーターと警察。そして実は、今回は御寄稿ではなく、あまりに興味深いのでこちらから頼み込んで、掲載許可を頂いてまいりました。
 今回掲載許可を頂いたのは、カイザースラウテルンのホームゲームの際に市内やスタジアムでパトロールを行っているラインラントプファルツ州警察のヴェストプファルツ警察署の広報室です。この広報室では、試合開催時に行われる警察出動の記録を報告書としてまとめてホームページでも公開しております。(ラインラントプファルツ州警察署のホームページはコチラ
 ドイツは、フランスW杯やEURO2000ですっかり(悪い意味で)お馴染みになってしまいましたが、フーリガン大国の一つです。それでも、ドイツのスタジアムには週末、多くの女性や子供のサポーターの方が観戦に訪れます。ヨーロッパの中では比較的治安の良いスタジアム環境といっても過言ではありません。この一見相反する事実が両立しうるのは、ひとえに警察の皆様の地道な活動の結果に他なりません。週末の試合の際には、スタジアム周辺のみならず、中央駅や町の目抜き通りなどで、グリーンの「POLIZEI」ジャケットをまとった警察官の方々を見かけます。彼らのパトロールのおかげで私たちは安心してサッカーの試合を楽しむことができるのです。
 そんな彼らの活動の一部を紹介すべく、今回身近な試合を例にということで、先日日本でも中継されたカードである「1.FCカイザースラウテルンvsハンブルガーSV」について、その際の警察の出動報告書を紹介致します。
 なお、本報告書の翻訳掲載は上記の警察広報室の許可を頂いております。ただし、翻訳は管理人自らが行ったものであり、下記の翻訳された報告書の内容に関する一切の責任は管理人にあることを明記しておきます。(管理人より)

ブンデスリーガ試合 警察出動報告書
1.FCカイザースラウテルン - ハンブルガーSV(2003年02月22日)

 州警察と連邦国境警察の出動は、すでにHSV特別列車「ホピハリドゥ・エクスプレス」号(訳注1)が到着する午前10時から開始された。この列車は、午前0時30分に650人のHSVサポーターを乗せてハンブルクを出発していた。ビール会社とHSVサポーターズクラブがビール500缶を振る舞っていた。

 

 カイザースラウテルンへの到着時には、多数の乗客が酩酊状態であった。1人のサポーターが、列車から降りる際に卒倒し、救急車で酔いを醒ますために病院へ運ばれた。結局、彼は帰りの列車まで病院に留まることになった。少数のグループになって、サポーターたちは町の中心部に向かった。途中、何軒かの店の前で洋服掛けやショーウィンドーが破壊された。2人のサポーターが停車中の乗用車に損害を与え、現行犯で逮捕された。

 

 中心部の飲食店が10時45分に開店すると、(緊迫した)状況は緩和された。試合までの時間を、ハンブルクから来たほとんどの人々が飲食店やマルティン広場で過ごした。何人かは、フラッグや横断幕を置くためにスタジアムへ向かい、また何人かは12時から始まった1.FCカイザースラウテルンのアマチュアチームとダルムシュタット98による親善試合を観戦した。
 14時30分にはハンブルクから来た人々は、中心部からスタジアムへ向かった。その際、2人の酔っぱらった問題のあるサポーター(カテゴリC)(訳注2)が逮捕された。彼らは午前中に衣料品店で手袋を窃盗していた(右上写真)。中心部では、さらに2人の酔っぱらったハンブルク出身の問題のあるサポーター(カテゴリB)が万引行為により逮捕された。
 14時35分、ベルリナー通りで大きな乱闘騒ぎが起き、怪我人が出た模様だとの通報が寄せられた。警察犬班が、明らかにかなり酩酊したグループが建物の前にいるのに出くわしたが、もっともサッカーファンとは無縁であった。通報によるこの乱闘騒ぎは、3人の男性によるケンカ騒ぎと判明した。当事者の1人が、先に眠り込んだ飲み仲間の頭をウォッカの瓶で殴りつけたとのことである。怪我をした者は病院に運ばれ、残りの2人は拘置された。

 スタジアムは満員ではなかった。総じて、34,887のチケット(シーズンチケットも含めて)が売れた。スタジアム内には、1600人のHSVサポーターがいた。FCKのサポーターの中には、カテゴリBやCの問題のあるサポーターが50人、ハンブルク側には55人が見受けられた。

 

 HSVサポーターらは2つの大きなフラッグを座席ブロック内に持ち込む許可を得ていた。そのフラッグに隠れて、試合開始の際には赤色の発煙弾が点火された。その直後には、HSV側のブロック内で諍いが発生し会場スタッフにより止められた。1人のザールラント州から来たHSVサポーターが会場スタッフと一悶着を起こし、彼の話によれば自分は聖マリアが出現したマルピンゲン(訳注3)出身とのことだった。それでも彼はスタジアム出入禁止処分になった。

 

 前半はゴールキーパーだけが時折ネットを揺らすことになったが、ゴールを許すことはなかった。会場スタッフがハーフタイムに芝をチェックしたが、特に何も落ちていなかった。

 

 51分と58分にロクヴェンツとクローゼがゴールを決めて、最終スコア2-0でFCKが勝利し、11試合負けナシというHSVの連続記録は途絶えた。試合後のサポーターの退去は、大きな騒動もなく進んだ。HSVのクラブ幹部が、偽物のライセンスグッズを販売していたとして、ファングッズ販売業者を届け出た。

 列車で来たハンブルクのサポーターは、だらしない集団の呈を為して駅へ向かい、駅で18時56分の特別列車発車までの時間を過ごした。今回の警察出動は、19時15分をもって終了した。(ヴェストプファルツ警察署広報室)

訳注1) 「ホピハリドゥ(Hopihalido)」とは、「Holsten Pilsen Halbe Liter Dosen」すなわちハンブルクで有名なビール銘柄であるホルステン・ピルスナーの0.5リットル缶のことを意味する俗語。したがって「ホピハリドゥ・エクスプレス」は、直訳すれば「ホルステン・ピルスナー0.5リットル缶特急」、意訳すれば「ナマチュウ特急」といったところか。
 
訳注2) カテゴリBやカテゴリCとはサポーターの危険度を表す。ドイツでは、サポーターを過去の犯罪歴などから3種類に区分している。スタジアムに足を運ぶ客のうち、90〜98%がカテゴリAのいわば何ら問題ないサポーターに属する。問題になるのはBとCで、カテゴリBは問題を起こす危険性のあるサポーター、カテゴリCは問題のあるサポーター(フーリガンの概念に近い)を意味し、彼らについてはスポッターと呼ばれる担当官によるマークの対象になっている。
 
訳注3) マルピンゲンは「ドイツのルルド」と呼ばれ、聖マリアの出現を町の複数の住民が目撃したという奇跡でかつてちょっとした話題になったことがある小さな町。

最終更新日: 2003年03月05日

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