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2000年欧州蹴球観戦紀行   欧州蹴球観戦紀行トップページへ戻る

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   2000年02月23日(水)夜 国際Aマッチ「オランダ代表 vs ドイツ代表」観戦


オレンジサポ

Photograph by St. Marco Kabayama
オランダ代表キャプテン、ダービッツ

Photograph by St. Marco Kabayama
今日もヘディング、スタムおじちゃん

Photograph by St. Marco Kabayama
ノイヴィル、セベスケン、ビアホフ

Photograph by St. Marco Kabayama
マカーイ、ボハルデ、ゼンデン、ビアホフ

Photograph by St. Marco Kabayama
シードルフ

 さて、試合開始直後はホームのオランダペースで展開。注目のストライカー、ニステルローイにボールが集まる。まずは、10分。ニステルローイがラストにあわせて両チーム通じて最初のシュートらしいシュート。彼へのファンの期待は、この日最初のウェーブという形で表現される。そのウェーブが止んだ直後、ニステルローイの惜しいミドルシュート。ウェーブなど無視して観客総立ち。応援のボルテージは最高潮に達する。オランダの攻撃は続く。ドイツからボールを奪うと、最終ラインにボールはまわされ、フォーメーションが組み立て直される。ボールキープしていたのはコクー。そのコクーから、ボランチのダービッツがボールを受ける。左サイドから駆け上がるゼンデン。そのゼンデンへダービッツから絶妙なパス。クライファートとニステルローイの待つ中央へ、ゼンデンからのクロス。なぜか思いっきりフリーのクライファートがゴールにたたき込む。オランダ先制。スタジアムがゆれんばかりに盛り上がる。「今日こそ勝てる」。誰もが、オランダの勢いを感じる。
 私が、この時クライファートをフリーにさせてしまったのが、マテウスだと知ったのは帰国後にサッカー雑誌でこの試合の記事を読んだ時。ここに、高年齢のマテウスが頼みのオヤジ軍団ドイツ代表の脆さを感じた。
 さて、オランダの先制点もゼンデンの果敢な左サイドの駆け上がりによるものだが、彼が攻撃参加に転じた際、そのサポートにまわるのが左サイドバックのボハルデである。そのボハルデが、相手との接触で出血をともなう負傷。いったんピッチの外に出て、頭に包帯を巻く応急処置。ツィーゲのゴールはこの時生まれたものである。22分のツィーゲの同点弾。1 - 1。仕切直しである。ボハルデもピッチに戻る。
 確かにツィーゲのゴール見応えはあった。しかし、ホームのオランダ。この日の前半は、本当に素晴らしいプレーを展開し続けた。そしてそれが結果として報われた。28分、今度は右サイドのR.デブールからのクロスをゼンデンが押し込む。ドイツを突き放す2点目。右からも左からも攻められるオランダ。真ん中では、ダービッツとシードルフが中盤を制する。世界最強のハーモニーが奏でられる。最高の舞台。しかもそれに見合う2得点。2 - 1、オランダリード。このままいけば、今日こそ勝てる。誰もがそう確信できる試合内容。
 とはいえ、30分にクライファートが決定的なチャンスを逸し、ボールはポスト横に。クライファートならではのプレー(?)といえばそれまでか。さらに44分、今度はゼンデンが同様に惜しくもシュートを外す。そして前半終了。この決められたはずの2本を決められなかったことが、ファンの不安を募らせる。2 - 0で前半を折り返した昨秋のブラジル戦。後半2−2に追いつかれ、勝てる試合を引き分けている。テストマッチ故に数多くの選手をテストした結果といえばそれまでだが、あの時のような醜態は見たくないはずだ。
 結果として1得点1アシストと、オランダの全得点に絡む活躍を見せたのが左サイドのゼンデン。そのゼンデンと向き合う形となったのがドイツ右サイドの新人君たちである。前半は、この位置にセベスケンが入ったものの、結局ゼンデンの駆け上がりを阻止できず、そのことが先制点へとつながった。そして、後半リベック監督はセベスケンを下げて注目のダイスラーを投入。EURO2000まで3カ月半となったこの時期に満を持して未来のドイツ代表を背負うであろうダイスラーが代表デビューとなったわけだが、はっきりいって印象に残るプレーは皆無。ケガから回復したばかりのダイスラーの調子が悪かったのか、ゼンデンのプレーが良すぎたのか。ゼンデンがオランダのヒーローになることにはどうも納得のいかない私の主観的な見方では、前者であってほしいところである。ダイスラーにも注目しているからなおさらである。このまま、ゼンデンが活躍を続けた時、彼がクライフやファン・バステンのようなスターとしての要素に欠けていることに悩むのではと、私は、常日頃しょうもない心配を抱いている。
 後半は、しばらく応援のテンションが上がらず、前半に比べてのんびりと時間が流れていったが、55分のツィーゲによる惜しいループシュートが、全てのサポーターをヒヤリとさせ、再び熱のこもった応援が繰り広げられる。しかし、後半開始からのどちらかというとドイツペースの試合展開は続き、60分にはドイツの枠に入ったシュートをファン・デル・サールがナイスセーブ。これが彼のこの試合での一番の見せ場だったのでは。その直後、ドイツのハマンが、ボシュツと交代。一方、ライカールトが動いたのはその5分後。右サイドのR.デブールを下げてマカーイを投入。直後ダービッツのミドル、シードルフのミドルと立て続けにこの二人が現状打破の一発狙い。この時、オランダは5人が攻撃参加、残りの5人は後ろに待機という形で、攻撃を形成。
 3人の交代枠を両チームが使い切ったのは76分。まず、前半の最初以外、見せ場も作れず前線で孤立するシーンが多く見られたニステルローイがアウト。代わりに、ハッセルバインクがピッチに。一方、ドイツ側は私のお気に入り選手、右サイドのサイドアタッカー、ノイヴィルがアウト、バウマンと交代。さらに、オランダ側もコクーがヌマンと交代。こうして76分に両チームあわせて3人の選手が交代し、試合時間残り約15分を迎える。交代して入ったハッセルバインクがご挨拶シュートを放ったのは、交代から数分後の78分。一方、デブールに代わって右サイドに加わったマカーイは、キープ力がいまいちで、それほど冴えず。
 80分すぎ、応援に関する注意が場内放送として流れると、それをきっかけに応援がヒートアップ。とにかく、試合終了間際に失点でまたもや同点、という結果だけはごめんだというのが、観客の総意だろう。「試合内容が良かった」。そんな評論家の戯言などよりも、とにかく勝ちを観たい。単純かもしれないが、それが本音だろう。必死の応援が続く。

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[パノラマ写真] オランダ代表対ドイツ代表(アレナ・スタジアム)

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ドイツサポを隔離する騎馬警官隊

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夜のアレナ

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ホームページを宣伝するオランダサポ

 ロスタイム。それでも、何が起こるか分からない。気が抜けない。待ちきれないのは分かるが、紛らわしい笛の音が、数回観客席から起きる。けっして主審の笛ではない。そのニセモノのホイッスルを数度聞いた後、主審の長い笛。試合終了。
 実に1年半ぶりのの勝利に酔うサポーター。いやオランダの全国民が喜びに浸っているはずだ。この日、試合の生中継を予定していたテレビ局は事前に何度も予告のCMを流していた。また試合の前に特番を組む気合いの入れ様であった。とにもかくにも、過密日程を考慮して両チームの後半の戦いぶりには目をつぶるとして、前半の試合内容はオランダにとっては最高に近い出来だったのではないか。さらに、その「試合内容」に「結果」が付随された今、オランダは来る本大会への準備をほぼ整えつつあるといってよいだろう。この勝利を土台とした今後のテストマッチでのさらなる調整が、より一層のチームのまとまりをもたらすことを期待したい。一方、ドイツ。宿敵イングランドと同居したグループAにおいて今日のような試合は許されない。本大会に向けて数多くの反省点を残す結果であったはずだ。期待の新人君2人も、この試合に限って言えば全くの不発。世代交代は全く進まないままに、時だけが流れ、現欧州チャンピオンは、4年の歳月を経てその風格を失いつつあるようだ。とにもかくにも、EURO2000は目の前にせまっている。

 さて試合後、みな久しぶりの勝利で大喜び。試合後、私たちの前にいたサポーターの2人が、マフラーを持っていない私たちに、自分たちが巻いていたマフラーをくれる。感激。「男気」を感じ、これを「男気マフラー」と名付ける。彼らは米国までワールドカップの時に応援に行った話などをしてくれる。

 さらに、そのうちの一人が、後ろを歩いていた人に、「マイケル!」と叫ぶ。呼ばれた若い男性も笑顔で応え、一緒に写真撮ろうぜという彼の進言に快く応える。一体何者なんだろうと思っていると、その人が、彼はマイケル・モルズといって、もともとユトレヒトにいた選手なんだけど、今はグラスゴーレンジャースでプレーしているんだ、と教えてくれる。そこで何で今はオランダに?と尋ねると、彼は今ケガのため戦線離脱していてオランダに帰ってきているとのこと。彼は、私たちに分かり易くということか、「マイケル」と発音していたが、これはミヒャエル・モルスのこと。なんと、オランダ代表に名を連ねたこともある名ストライカーが、私たちの後ろでサッカー観戦をしていたとは!それにしても、こんなに気軽にサッカー選手に会って良いものか。驚くことばかりで、アムステルダムアレナを後にした。

[後日談] 〜 EURO2000のオランダ代表とドイツ代表 〜

 リベック監督の指示が無視され、チーム内が崩壊していたロッカールームの様子が匿名選手の話として「Kicker」誌に伝えられるなど、オランダ戦敗戦後、老齢化したドイツの実情を危惧する声が内外から上がった。これでは、EURO2000で、イングランドど同居するグループAを突破するのは難しいのではと囁かれるほど、前欧州チャンプは衰えていた。そして案の定、ドイツはイングランドとともにグループ敗退。代わってポルトガルがファンタジーあふれるそのサッカーに結果まで付与してベスト4へと進んだ。

・ドイツ代表出場選手リスト
Goalkeepers
01. Oliver Kahn (Bayern Munich)/12. Jens Lehmann (Borussia Dortmund)/22. Hans-Jorg Butt (Hamburg)
Defenders
02. Markus Babbel (Bayern Munich)/03. Marko Rehmer (Hertha Berlin)/04. Thomas Linke (Bayern Munich)/06. Jens Nowotny (Bayer Leverkusen)/10. Lothar Matthaus (N.Y. - New Jersey Metrostars)/17. Christian Ziege (Middlesbrough)
Midfielders
05. Marco Bode (Werder Bremen)/07. Mehmet Scholl (Bayern Munich)/08. Thomas Hassler (1860 Munich)/13. Michael Ballack (Bayer Leverkusen)
14. Dietmar Hamann (Liverpool)/15. Darius Wosz (Hertha Berlin)/16. Jens Jeremies (Bayern Munich)/18. Sebastian Deisler (Hertha Berlin)/21. Carsten Ramelow (Bayer Leverkusen)
Strikers
09. Ulf Kirsten (Bayer Leverkusen)/11. Paolo Rink (Bayer Leverkusen)/19. Carsten Jancker (Bayern Munich)/20. Oliver Bierhoff (AC Milan)

Group A 結果 P W D L F A Pts
1 Germany 3 0 1 2 1 5 1
2 Romania 3 1 1 1 4 4 4
3 Portugal 3 3 0 0 7 2 9
4 England 3 1 0 2 5 6 3
Date Match city
Group 1st Leg
12 June Match 05: Germany 1-1 Romania Liege
12 June Match 06: Portugal 3-2 England Eindhoven
Group 2nd Leg
17 June Match 13: Romania 0-1 Portugal Arnhem
17 June Match 14: England 1-0 Germany Charleroi
Group 3rd Leg
20 June Match 19: England 2-3 Romania Charleroi
20 June Match 20: Portugal 3-0 Germany Rotterdam

 一方、ホスト国であり最有力優勝候補と目されていたオランダについてだが、当初から優勝候補といわれていたもののライカールト政権になってから勝ちに恵まれないでいた。しかし、このドイツとのテストマッチを制したことで、地元でのEURO制覇も現実味を帯びてきた。その後のテストマッチの活用法も、評価に値すべきもので、ほぼ完璧の状態で本大会に望んだ。しかし、初戦のチェコ戦ではコッリーナ審判の「迷」ジャッジでなんとか辛勝のスロースタート。ユーゴに大勝するまでは、優勝へは不安が残った。しかし、クライファートゴールショーとなったユーゴ戦後は、誰もがその強さにひれ伏し、これでオランダの優勝だなメデタシメデタシと確信した。しかし、サッカーの女神は、組織された人工的なファンタジアだけを21世紀にもたらすことも良しとしなかった。もちろん、守ってばかりのカテナチオにアンリ・ドロネー杯を渡すこともなかったが。というわけで、準決勝にてイタリアのカテナチオに阻まれて、PK戦の末敗退。これほどのチャンスはないといわれた欧州制覇のチャンスを逸した若きライカールト監督。
 大会終了後、あの赤ら顔のメモ魔のおっさんが、新オランダ代表監督に就任してしまった。

・オランダ代表出場選手リスト
Goalkeepers
01. Edwin Van der Sar (Juventus)/18. Ed De Goey (Chelsea)/22. Sander Westerveld (Liverpool)
Defenders
02. Michael Reiziger (Barcelona)/03. Jaap Stam (Manchester United)/04. Frank de Boer (Barcelona)/13. Bert Konterman (Feyenoord)/19. Arthur Numan (Rangers)
Midfielders
05. Boudewijn Zenden (Barcelona)/06. Clarence Seedorf (Inter Milan)/07. Philip Cocu (Barcelona)/08. Edgar Davids (Juventus)/11. Marc Overmars (Arsenal)/12. Giovanni van Bronckhorst (Rangers)/15. Paul Bosvelt (Feyenoord)/16. Ronald de Boer (Barcelona)/20. Aron Winter (Ajax)
Strikers
09. Patrick Kluivert (Barcelona)/10. Dennis Bergkamp (Arsenal)/14. Peter van Vossen (Feyenoord)/17. Pierre van Hooijdonk (Vitesse Arnhem)/21. Roy Makaay (Deportivo La Coruna)

Group D 結果 P W D L F A Pts
1 Netherlands 3 3 0 0 7 2 9
2 Czech Rep. 3 1 0 2 3 3 3
3 France 3 2 0 1 7 4 6
4 Denmark 3 0 0 3 0 8 0
Date Match city
Group 1st Leg
11 June Match 03: France 3-1 Denmark Bruges
11 June Match 04: Netherlands 1-0 Czech Rep. Amsterdam
Group 2nd Leg
16 June Match 11: Czech Rep. 1-2 France Bruges
16 June Match 12: Denmark 0-3 Netherlands Rotterdam
Group 3rd Leg
21 June Match 23: Denmark 0-2 Czech Rep. Liege
21 June Match 24: France 2-3 Netherlands Amsterdam

・決勝トーナメント

Date Match city
Quarter Finals
24 June 1/8 Final 1: BII:Turkey 0-2 AI:Portugal Amsterdam
24 June 1/8 Final 2: BI:Italy 2-0 AII:Romania Brussels
25 June 1/8 Final 3: DI:Netherlands 6-1 CII:Yugoslavia Rotterdam
25 June 1/8 Final 4: CI:Spain 1-2 DII:France Bruges
Semi Finals
28 June 1/4 Final: Q1:Portugal 1-2 Q4:France Brussels
29 June 1/4 Final: Q2:Italy 0-0 (PK:3-1) Q3:Netherlands Amsterdam
Final
2 July Final: France 2-1 Italy Rotterdam

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