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2000年欧州蹴球観戦紀行   欧州蹴球観戦紀行トップページへ戻る

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   2000年02月23日(水)夜 国際Aマッチ「オランダ代表 vs ドイツ代表」観戦

国際Aマッチ「オランダ代表 対 ドイツ代表」@アムステルダム・アレナ

 いわゆる因縁の対決という図式は崩れつつある。長い時間が経ったはずだ。しかし、時代を知らない若者に啓蒙するが如く、74年のワールドカップ、80年の欧州選手権、88年の欧州選手権、90年のワールドカップ、両国の因縁めいた対決の歴史がスポーツ誌を飾る。もちろん過去の戦争という歴史もある。まだこの隣国の間には、良くも悪くもライバル意識がしっかりと根づいている。
 ドイツにとっての地元開催の88年欧州選手権。オランダのエース、マルコ・ファン・バステンのゴールが、西ドイツ(当時)に土を付ける。90年には場所をイタリアに移し、ワールドカップの準々決勝。場所はサンシーロ。ライカールトはフェラーに唾を吐き、クリンスマンは2年前の借りを返した。でも、あれからすでに10年が経過した。あのライカールトは今、オランダ代表監督に就任し、90年代前半のアヤックスの栄光を築いた若手は、オランダ代表の中核として成長した。2年前のワールドカップ。準決勝でブラジルに敗れるも、最高のパフォーマンスを世に示した。誰もがオランダを世界トップクラスのチームと認めた。一方のドイツ。10年経った今も、闘将と呼ばれる男は健在である。世代交代の遅れが指摘されて久しい。負けないサッカーは、欧州選手権では結果を残してきた。92年準優勝、96年優勝。しかし、98年のワールドカップではクロアチアの勢いの前に屈服した。しかし、相変わらず平均年齢の高さは変わらない。とはいえ、予選ではきちんと結果を残して早々と予選通過を果たした。むしろ、人々が不安視したのは、ホスト国オランダが結果を残せないことだった。予選免除は、有利な一方で、なまぬるいフレンドリーマッチしか実戦の機会を与えてくれない。勝てない試合が続く中、ファンは内容だけでは満足できなくなっていた。勝ちが欲しかった。それがオランダ。

 過密日程の合間を縫って、2月23日、隣国同士、ライバル同士のテストマッチが行われた。場所は、アムステルダム・アレナ。芝の問題は横に置き、その雰囲気を考えたら、もっとも盛り上がることのできる音響に優れたドーム型スタジアムだ。小国オランダ。国内各地からこのスタジアムに多くのサポーターが集結した。そこには、ドイツサポが陣取る余地は、ほとんど皆無だった。99%オレンジだった。いや、キャッチフレーズを借りよう。「100%オレンジ」である。

 アレナの最寄り駅へ向かう列車の車内放送、ふだんとは違うアナウンス。「Duivedrecht、もちろん、アレナ行きです」。「アレナへ行くぞ」「ドイツをぶっつぶす」「絶対に勝つ」。怒号と大きな笛の音。応援歌が合唱され、足踏みが始まり、窓は叩かれ、列車はホームを離れる。オレンジ色のマフラー、オレンジ色の帽子、そしてハイネケンのビール瓶。
 Duivedrechtまでは、20分ほど。だいぶサポーターのテンションが上がったところで、列車は速度を落としていく。開かれたあちこちの扉から、オレンジ色の人々がホームへと降り立つ。ホームは一面オレンジ色に染まるといえば聞こえが良いが、薄暗い夜のホームでは、そのオレンジも濁った色合いを呈する。高いテンションもどこかしら空元気のようなイメージを与える。誰もが思っているはず。「今日こそ勝てるのか」、「本大会までに間に合うのか」、「本当に優勝候補なのか」。全ての疑問に応える試合のはずだった。疑問への回答を知りたかったのか。それとも、ためらいはなかったのか。人々は、各々のペースでアレナへの一本道を辿る。線路沿いの薄暗い歩道。遠くに見える巨大なスタジアム。

バックスタンドのチケット、拡大表示可[チケット入手について]

 ・バックスタンド中央 70G(31.76EUR、3640円)
  事前に予約して前日購入

 オランダは、フーリガン対策のためチケット購入に際して、クラブカードの提示が必要になり、外国人旅行者にとってチケット入手が難しい国である。さらに、「オランダ代表対ドイツ代表」という好カードから、チケットは事前に売り切れになることが予想された。
 そこで、昨年11月、この試合があることをしって、すぐにオランダサッカー協会と会場であるアレナスタジアムに、FAXでチケットをカードなど購入したいと申し込む。返事が来たのは年末年始。これは、チケットの前売り発売日程が発表され、オランダ代表サポーターサイトなどでも告知されていた時期と重なる。
 数日違いで、協会とアレナの両方からきた。念のため友人も協会に頼んでいたため計6枚も予約してしまった。返事の内容は、ほぼ同じだったが、アレナの方がフレンドリーな感じがしたことと、受取が前日で万が一のトラブルにも対応できると考え(協会のチケットは試合開始直前に現金と引き替え)、アレナを選択した。
 というわけで、試合前日にアレナのオフィスで、担当の女性とお会いしてチケットを購入できた。なお、価格はバックスタンド中央の席で70G(31.76ユーロ、当時のレートで3640円)であった。ここからも分かるように、オランダは欧州サッカー先進国の中で、比較的チケットが安い国として有名である。

 試合開始まで20分前、スタジアム周辺には大勢のオランダサポが群がる。セキュリティチェックの長い列。少しずつ列が前へと進む。チケットを自動改札式の機械に通す。すると、扉が開く。奥では係りの人間が待機していてカバンなどをチェックする。そして、自分の席へと向かうべく、延々と階段を上る。アレナは、1、2階が駐車場、その2階には高速道路が突き抜けており、その上にあたる3階がピッチという構造。したがって、外環も他のスタジアムに比べ高さがあるため、ものすごく大きなスタジアムに見える。しかし、キャパは50,000人と、とりたてて巨大なスタジアムというわけではない。ともあれ、ピッチが3階にあるため、座席はそれよりも高いところに位置する。私たちはひたすら階段を駆け上がる。試合開始10分前。

表紙は前回のエキシビジョン・マッチでのレイツェハーとマテウス(拡大表示可能) 裏表紙は、この日お披露目になった新オランダ代表ユニを着るダービッツによる某N社の広告(拡大表示可能)
「オランダ代表対ドイツ代表」試合プログラム(Price: 5G)

 階段を上り、チケットに指定されたゲートへ。熱気のこもった室内競技場、アレナの内部へ飛び込む。スタジアム内をオレンジ色が包み込む。ひっきりなしに応援が続く。試合開始を今か今かと待つ観客。座席につき、まもなくすぐに選手入場。2階席からまかれる大量の紙吹雪。グラウンド中央には「100%オレンジ」のマーク。サポーターのボルテージは最高潮に。そして国歌斉唱。皆、高らかに歌い上げる。そして応援のかけ声開始。

拡大表示可能
[パノラマ写真] 選手入場、興奮のスタジアム!

親善試合(国際Aマッチ)


オランダ代表
2 前  半 1

ドイツ代表
2 1
0 0
後  半
得点経過
'15 クライファート
'28 ゼンデン
'22 ツィーゲ
出場選手(カッコ内は交代選手)
オランダ代表(4 - 3 - 1 - 2)
GK
1: ファン・デル・サール
DF
2: レイツェハー
3: スタム
4: コクー
  (76分、13: ヌマン) 
5: ボハルデ
MF
7: R.デブール
  (65分、19: マカーイ) 
8: ダービッツ
11: ゼンデン
6: シードルフ
FW
10: ニステルローイ
  (76分、18: ハッセルバインク) 
9: クライファート
ドイツ代表(3 - 4 - 3)
GK
1: カーン
DF
2: バッベル
10: マテウス
4: リンケ
MF
5: セベスケン
  (46分、18: ダイスラー)
6: イェレミース
8: ハマン
  (61分、17: ヴォシュツ)
3: ツィーゲ
FW
11: ノイヴィル
  (76分、14: バウマン)
9: ビアホフ
7: ショル
警告()/退場(
ダービッツ バウマン
[日時]2000年2月23日(水)
[会場]アムステルダム・アレナ(オランダ)
[主審]ドメニコ・メッシーナ氏(イタリア)
[観客数]50,000人   
[代表とクラブでの活躍]

 今回の旅行で、最初に「オランダ代表対ドイツ代表」を観戦したのは、いわゆるスター選手が過密日程の中で、代表とクラブにおいて活躍する姿を観たかったからでもある。上記のスタメンリストの他、この試合で召集された両チームあわせて44名(ただしF.デブールとファン・ホーイドンクは欠場)のうち、実に25名の選手について、その後、クラブでの試合で観戦できる可能性があった。そして、実際、この試合でピッチに立った28人の選手のうち、なんと17名の選手について、今回の旅行の中で、その後のクラブでの試合でも観戦できたのである。そのリストは、以下の通り。

※リストの見方:「」は代表戦出場選手、「」はクラブでの試合の出場選手

・オランダ代表
 2/27 ユベントス対ローマにて
  エドウィン・ファン・デル・サール(GK、ユベントス)
  エドガー・ダービッツ(MF、ユベントス)
 2/29 ラツィオ対フェイノールトにて
  ベルト・コンテルマン(DF、フェイノールト) 
  ポール・ボスフェルト(MF、フェイノールト) 
 3/1 バルセロナ対ポルトにて
  フランク・デブール(DF、バルセロナ) 
  ウィンストン・ボハルデ(DF、バルセロナ)
  ミヒャエル・レイツェハー(DF、バルセロナ)
  ロナルド・デブール(MF、バルセロナ)
  フィリップ・コクー(MF、バルセロナ)
  パトリック・クライファート兄貴(FW、バルセロナ)
  ボウデビン・ゼンデン(FW、バルセロナ)
 3/5 ミラン対インテルにて
  クラレンス・シードルフ(MF、インテル)
 3/7 ボルドー対マンチェスター・ユナイテッドにて
  ヤープ・スタム(DF、マンチェスター・ユナイテッド)
・ドイツ代表
 2/26 レバークーゼン対ヘルタ・ベルリンにて
  ヤンス・ノボトニー(DF、レバークーゼン)
  ミヒャエル・バラック(MF、レバークーゼン)
  セバスティアン・ダイスラー(MF、ヘルタ・ベルリン)
  ダリウス・ヴォシュツ(MF、ヘルタ・ベルリン)
  オリバー・ノイヴィル(FW、レバークーゼン)
  ミヒャエル・プレーツ(FW、ヘルタ・ベルリン)
 3/5 ミラン対インテルにて
  オリバー・ビアホフ(FW、ミラン)
 3/8 バイエルン対レアル・マドリーにて
  オリバー・カーン(GK、バイエルン)
  マルクス・バッベル(DF、バイエルン)
  トーマス・リンケ(DF、バイエルン)
  ローター・マテウス(DF、バイエルン)
  ヤンス・イェレミース(MF、バイエルン)
  メーメット・ショル(FW、バイエルン)

 それをさえぎる形か、場内アナウンス。マテウスの代表キャップ数単独世界最高記録144を讃える花束の贈呈。これには、オランダサポもあたたかい拍手。
Photograph by St. Marco Kabayama
選手整列、国歌斉唱、100%オレンジ。
 ユニフォームは、オランダはお馴染みのナイキによるオレンジ色のユニと、黒いパンツ。以前のものからタイプが変わり黒とオレンジが基調となりシックな感じに。一方、ドイツは緑に白のラインのアウェーユニ。メーカーはもちろんアディダス。
 ピッチに散る両チームの選手。それぞれの陣形を形成する。ドイツの3-4-3に対して、オランダはお馴染み4-3-3。そしてキックオフ。オランダの陣形は、シードルフが1.5列目の位置で、正確には4-3-1-2と分かる。また、後ろは4バックといっても、ボハルデが上がり目の位置にあるときは、レイツェハーが下がり目で3バックを形成し、その逆もあるという攻撃的な形。これは、バルセロナでファン・ハールがやっている形と良く似ている。ボハルデ、レイツェハー、R.デブール、コクー、クライファート、ゼンデン。実に、スタメン11人中6人の選手がバルセロナ所属。ファンハールのオランダ化政策の一躍を担う選手たちであり、多くはファンハールがアヤックス時代に育てた選手たちである。そのファンハール時代のアヤックスとは、90年代前半の黄金期のアヤックスである。そして、ミランから呼び戻され、そのアヤックスの精神的支柱として活躍したベテランこそ、現オランダ代表監督、フランク・ライカールトである。

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